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【プロキャディ出口のゴルフ講座】PGAツアーに参戦して感じた「攻め方」の違い


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ゴルフトリガーをご覧のみなさん、こんにちは。プロキャディの出口慎一郎です。

去年は全米オープン、今年はSONY OpenでPGAツアーを経験し、直近ではZOZO 、HSBCと経験する事が出来ました。

タイガー・ウッズをはじめ数多くのプレーヤーが日本に訪れゴルフファンを楽しませてくれましたし、私も練習場などを含めて沢山のPGAプレーヤーのスイングや練習や、トレーニング方法を勉強する事が出来ました。

日本ではよくドライバーの飛距離が出ればPGAツアーに挑戦できるという事を聞いてましたし、私も正直そう思っていました。

しかしまず初めに私が思ったのはドライバーの飛距離が出ると有利というのはほんのスタートラインに過ぎず、もっと重要視されているのは飛距離でもトータルの飛距離ではなく、ドライバーも含めた全てのクラブのキャリーの正確性でした。

ドライバーでもアイアンでもただ飛べばいいと言う事ではありません。
方向性やスピン量もとても重要です。

それはすなわちフェアウエイから打つ事がどれだけ重要かという事にも繋がってきます。

やはりラフから打つ事はリスクが高くPGAプレーヤーでもボールのコントロールは簡単にはいきません。

なのでキャディーのコースチェックも狙う方向のポイント、ボールがキャリーする場所(フォロー、アゲインスト含む)の傾斜ラフの状況を細かく調べます

ドライバーで打つとラフに入ってしまいそうな狭いホールであれば例えセカンドショットがロングアイアンになろうとも迷いなくレイアップします。


逆に、キャリー290ヤード出せばフェアウエイが広く使えるのであれば迷いなくドライバーを振っていきます。

毎週違う芝質やフェアウエイの硬さに対応するためにPGAプレーヤーのほとんどがトラックマン(飛距離計測器)を使用しデータ収集に役立てています。


キャリー290〜300ヤードのビッグドライブに加えて針の穴に糸を通すような方向性とスイングバランス、 そして4日間同じ精度の高いショットを打ち続ける為の体力も必要です。

それに加えて、100ヤード以内の精度や多彩なアプローチは本当に脱帽します。
フェアウエイからのアイアンショットになれば多少のリスクがあろうとも大抵の選手はピンを狙ってきます。


狙える理由としては、まずアイアンのキャリーを正確に把握している、そしてアプローチに絶対の自信を持っているという事が言えます。なのでピンを狙うことにはなんの迷いもありません。

以前の私は、18ホールの中でパーセーブできればOKのホール、バーディーが欲しいホールと決めてコースマネージメントを組み立てていました。

しかし、それでは18ホール×4日間バーディーを狙い続ける選手と比べた時に大きな差が生まれてしまいます。

PGAでは1日に誰かが想像もつかないようなビッグスコアを出します。

翌日にはまた誰かがビッグスコアを出します。

守りに入っていては到底勝てる世界ではない事を改めて思い知らされました。

特に印象に残っているのはZOZO championship の第4ラウンド目の16番ホールPAR3での ジャスティン・トーマス選手の1つでした。

その日は変則日程で第3、第4ラウンドと1時間の休憩を挟んで行われました。

第4ラウンドの16番ホールはその日の34ホール目、16番はグリーンの左サイドで池が口を開けるホールでカップは池に近い左サイドに切られていました。

体力気力ともに限界にきているにもかかわらずトーマス選手は、池とグリーンの境目ギリギリのラインにフェードボールで攻めていきました。

そしてピン2メートル手前につけてバーディー。順位が上位では無いからとか、優勝争いじゃないから攻めたのかもしれません。

確かにそう思う方もいると思います。しかし、同じ状況でもピンを果敢に攻めていける日本人プレーヤーは果たして何人いるんでしょうか、、、?

私自身キャディーとしてPGAツアーのレベルを知ることが出来ましたし、キャディーとしてのコースマネジメントを1から考え直すいいきっかけになりました。

松山英樹選手に次ぐ世界に通用する日本人を生み出すには選手だけではなく私達キャディーのレベルアップも必要かもしれません。

出口慎一郎

ツアープロキャディー。杉澤伸章氏の元で修行を積んだのち、片山晋呉、星野陸也などを始めとするトッププレーヤーのキャディとして活躍。スポーツメンタルトレーナーの資格を持ち、現在は脳科学も勉強中。多彩な経験を生かし、ライターとしても活動の幅を広げている。

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