スコアアップのために飛距離とランを科学で考える


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ゴルフでボールを遠くに打つ原理、原則を理解することもスコアアップには重要な要素です。

ゴルフの飛距離は【キャリー】と【ラン】の2つの要素から成り立っています。

特にアマチュアゴルファーは、練習場でボールをただ打つことばかりに集中し、何ヤードまで飛んだ(キャリー)ということは意識しても、意外とボールの転がり、つまりどの程度ランが出ているのが考えていない方もいらっしゃいます。

そのままラウンドに出ると、ナイスオンと思いきやボールはグリーンの奥にこぼれている…ということが多くなってしまいます。

理由の一つに、日本のゴルフ場は大半が丘陵地帯や山岳地帯にあることも関係しています。この場合、限られた地形の中で、限られた敷地内に収まるように工夫して設計されていることが多いです。

そのようなゴルフ場では、グリーンの奥に安全な場所を作る余裕はありません。

そのため、グリーンをオーバーした場合、グリーンの奥が急傾斜になっていて、グリーンオーバーすると、返しのアプローチが極端な打ち上げや、打ち下ろしになります。

左足上がりのアプローチはフェースが開きピンまでの距離感が難しく、また、ほとんどの場合ピンまでが下りラインになり、ボールが止まらずピンに寄せることが上手くいかないものです。

逆に、左足下がりの急斜面から難易度の高いアプローチになります。ボールの頭を叩くトップが出やすく、反対にボール手前の芝にヘッドが捕まってショートしてしまうこともあります。

また、グリーンオーバーのOBを防止するための救済措置として、バンカーが設置されているホールもあります。

アマチュアゴルファーにはただですら厄介なバンカーですが、大抵の場合グリーン奥のバンカーは受けバンカーで左足下がりのバンカーショットが残り、一番難しいバンカーショットになってしまいます。

苦手意識の強い急な左足下りのバンカーショットは、やっぱり大叩きの原因になります。

つまり、グリーン奥には、危険がいっぱいでアマチュアには難しいリスクの高い場所になります。

と、ここまでグリーン奥の危険性について解説してきましたが、どのように避ければいいかは簡単です。

オーバーしないためには、グリーンの手前の緩やかな傾斜(花道)を賢く使いましょう。

直接グリーンを狙うのではなく、花道にワンクッションいれてグリーンに乗せる方法で攻めるのがセオリーになります。

グリーンに乗らずショートした場合でも、オーバーと違って次のアプローチはフェアウェイからになります。次のランニングアプローチでピンを狙うことができ、寄せられる可能性が高くなるのです。

ボールの飛距離【キャリー】の原理

ランを計算してグリーンを攻めるためには、自分自身のキャリーとランの距離感をしっかり把握しておくことが大事になります。

その飛距離を正確に把握するには、自分のスイングパワー(ヘッドスピード)、芝の状態、天候、季節、など様々な要素を考えることが必要になります。

まずキャリーとランの定義について押さえておきましょう。

ボールが地面に着地するまでがキャリーで、着地したボールがその後地面を転がりボールが完全に停止するまでの距離がランになります。

実際にボールが止まるまでの距離は、このキャリーとランの合計で成り立っているという意識を強くもつ必要があります。

ちなみに女子プロが、ドライバーで240ヤード飛んでいたとしたら、だいたいキャリーで220ヤード、そのあとランで20ヤードくらい転がっているという場合が一般的です。

では実際にボールが飛ぶ原理について考えてみましょう。

スイングで加速されたヘッドがボールに正面衝突して起こるエネルギーでボールは飛んでいます。このエネルギーの大きさが飛距離の大きさになり、ヘッドスピードとボール初速で決まります。

このボール初速はヘッドとボールがインパクトする効率(ミート効率)で決まり、ボール初速が早い=遠くに飛ぶことを意味します。

ちょっと難しい話になりますが、ショットの際に働く反発力の原理は、ヘッドフェースのトランプリング反発力とボールの素材で起こるバネ係数反発です。

特に、ボールはインパクトの衝撃でボールは一旦つぶれた状態になり、元に戻ろうと復元力は働きます。この復元する力がバネ係数で、キャリーのエネルギーになります。

このキャリーのエネルギーがボール初速で現れるのです。

ボール初速は以下の法定式で表すことができます。

F=196g÷(46g+196g)+1  になります。

Fは100%ミートした場合の係数 

196gはヘッド重量  46gはボールの重量

式の中の+1は1の物体を動かす場合1で動かせば100%になり、これが100%の定数になります。

そこで、上の式からFは1.8になりますが、この値はヘッド重量とボール重量の重量差から起こる100%のミート効率の値です。

但し、真空状態で実際空気中を飛ぶボールが抵抗が起こり実際は1.5で計算します。

この式から実際に値度を求めると、40m/sのヘッドスピードで100%ミートした場合

40×1.5(100%ミート)=60  つまりボール初速は60m/sになります。

また、40m/sでボール初速が52msであれば、ミート効率が1.3で、ジャストミートできていないことを意味します。

つまりキャリーはヘッド質量とボール質量でミート効率が決まることが分かります。

一般的に、ヘッドスピードとボール初速の比率でミート率という指標が使われますが、これは簡易的にヘッドスピードから算出するものです。

実際のミート効率はヘッド質量とボール質量で求めるのが正しい求め方になります。

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ヘッドスピードとランの関係

ヘッドスピードによるロフト角からキャリーとランの関係は下の表を参照してください。

ランはキャリーで運ばれてきたボールが最初に地面に接地した瞬間から、ボールが完全の静止するまでの距離になります。

このランの定義は、球の高さの弾道で決まります。

低い球筋ほどランが出やすく、高い球筋ほどランが少なくなる。これはボールが落下する時、地面に対して落下角度が小さいとランが多く、落下角度が大きいとランが少なくなります。

ドライバーはロフト角もクラブの中で一番小さく、ボールの飛び出し角度も低く、落下角度も小さいことから、他のクラブに比べてランが出やすくなります。

また、ヘッドスピードが高いと球が高く上がりやすく、ランは出にくくなります。

ヘッドスピードが遅い場合は、全体の飛距離に対するランの比率は高くなりやすいです。

アイアンの場合、ロングアイアンはロフトが少ない分、球が上がりにくくランが多くなります。

逆に、ロフトが大きくなればなるほど、ランは少なくなります。

たとえば、ショートアイアンやピッチングウエッジなどは、球が上がりやすく落下角度がほぼ真上からになり、ランはあまり出ないことになります。

ランと天候の影響

ランのエネルギーを消滅させるボールと地面の摩擦は、主に芝の硬さや長さにより、季節による芝の生え方にも影響されます。

芝が元気で硬く長い夏場は、芝の抵抗も大きくランは出にくくなります。一方冬場は芝が薄く地面も硬くランが出やすくなります。

ちなみに、キャリーは空気中の温度で左右され、冬場は空気の密度が高く空気の抵抗が大きくキャリーは減少します。また、温度が下がるとボールのコアの合成ゴムが硬くなり反発係数は低下、飛ばなくなるのでこれも覚えておきましょう。

また、早朝のプレーは芝に露がついていてランも出にくくなります。

当然、雨のプレーは芝全体が濡れている条件下では大きく変わり、ほとんどランは期待できない場合もあります。

風の影響

ゴルフでの風は、距離を考えるうえで最も悩ましい状況のラウンドになります。

アゲインスト(向かい風)やフォロー(追い風)の対応をしなければならず、さらに右や左に大きく曲がるボールをコントロールするのは簡単なことではありません。

プロの場合でもスコアを崩しますが、アマチュアゴルファーの場合、強風下ではラウンドで10以上スコアを崩すことも不思議ではありません。

特に、アマチュアゴルファーはアゲインストを苦手にしているのではないでしょうか。

アゲインストの場合は、ボールが風と喧嘩することになります。

つまり、ボールが吹き上り全くキャリーが出なくなります。これはボールのスピン量が多いほど揚力は働きボールが浮いてしまうからです。

つまり、アゲインストの場合はスピンを減らす打ち方が有効になります。

ドライバーの場合、ティーを高めにボールの赤道を払う打ち方になります。この時の注意点はインパクトを強くせずスイング中にボールがあるイメージでレベルスイングすることです。

これは、インパクトを強くすると、ボールのスピンが増え風と喧嘩して距離が出なくなるからです。

また、別の打ち方として、逆にティーアップを極端に低くし、直ドラを打つように打ち出し角度を低くすることで、バックスピンを掛けない打ち方になります。

さらに、アゲインストに強い球は、ドロー系の球筋になります。ドローボールは弾道も低く打ち出せ、強い球を打て、バックスピンが少ない球になるからです。

アイアンの場合、通常使用するクラブより番手を落とし、ロフトを小さくすることで対応することがベストの選択になります。

ロフトを小さくすることで、バックスピンを減らすことが有効です。また、バックスピンを減らす打ち方としては、ダウンブローに打ち込む打ち方でなく、ボールと芝の間にヘッドを入れ押し出す様にスイングすることです。

スイングは力一杯で振るとスピン量が増えやすくなるので、多少飛距離をロスする覚悟でスングスピードをやや抑えることです。結果的に飛距離をロスすることなく飛距離をかせぐことに繋がります。

風速10m~のアゲインストでは、ドライバーでは20~30y前後の飛距離ロスを起こし、同様にサイドウィンドの場合、左右のブレも20~30y程度は目標を左右に置く必要が求められます。

 アイアンでは、ミドルアイアンでは2番手程度、ショートアイアンでは3番手程度距離が違ってくる場合があります。

芝の状態とラン

コース内の芝の状態でもランに影響してきます。

芝が刈り込まれているフェアウェイはランを計算できますが、ラフではランは余り期待できません。特に深いラフではほとんどランが出ないと思ってください。

ティーショットでランを稼ぐためには、フェアウェイに落とすことが大事です。

また、セカンドショット以降は、フェアウェイから打つかラフから打つかでランの量が変わります。

深いラフからのショットは、インパクトでボールとフェースの間に芝が絡み、ボールにスピンが掛からずボールが止まらない現象(フライヤー)がおこり、ランが予想以上に出てしまい、グリーンを大きくオーバーする場合があります。

まとめ

コース戦略を練るためには、使用番手の飛距離感をしっかり掴むことが大事になってきます。

それには、キャリーとランをトータルで把握、その日の天候により対応することが重要です。

特に初心者の場合は、グリーンを狙う際に手前から狙うことがスコアメイクに有効です。

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