ゴルフボールをもっと遠くに飛ばすために、メカニズムを知ろう

 ゴルフでボールをより遠くに飛ばすには、スイングスピードを上げヘッドスピードを高めればいいという単純な問題でありません。

ヘッドスピードを上げるだけでは、自然にボールが遠くに飛ばす条件にはならないのです。

なぜなら、ゴルフは陸上競技のハンマー投げのように、鎖の先の重りを体の回転運動で道具そのものを直接投げるスポーツではなく、道具(クラブ)を使ってヘッドでボールを間接的に打つスポーツだからです。

ハンマー投げは、体のフル回転運動から起こる慣性力の遠心力でハンマーそのものを投げますが、ゴルフスイングは1回の運動(スイング)で静止しているボールを小さなヘッドを使って打ちます。

飛距離アップのためには、ヘッドとボールがコンタクトする時、ボールを遠くに飛すための要素を満たす必要があります。

 この飛びの要素は「ボールの初速、ボールの飛び出し角度、ボールのスピン量」です。

この数値が3つともかみ合ったときに、最大の飛距離が生まれるのです。

■ヘッドスピードとボール初速 

飛びの条件は「ボールの初速、ボールの飛び出し角度、ボールのスピン量」

この3要素で、最も重要な要素はボール初速です。

データを取るとボール初速だけが比例して飛距離に関連してきます。

他の2要素のうち、ボールのスピン量は多すぎると吹き上がり飛距離をロスし、スピン量が少なすぎても揚力が働かず飛距離のロスに繋がります。

ロフト(飛び出し角度)についても、大きすぎると吹き上がり距離は出なくなり、少なすぎてもボールが上がらず、低い弾道で飛距離ロスになります。

その点、ボール初速に関しては早ければ早いほどいいと言えるため、まずはボール初速を出すことを重視するのがベターでしょう。

初速を上げるには、インパクト前後のスイング軌道がストレートで、なおかつシャフトが最下点で最大のスピードに到達し、芯でボールを打ことが必要になります。

インパクトでフェース面が閉じた状態や開いた状態では、ボールに余分なサイドスピンが掛かり飛距離を大きくロスし、ボールも左右に曲がることになります。

そのため、ミート率を高めるには、自分のヘッドスピードに合うシャフトの硬さ、重さ、ヘッド機能、特にロフトやライ角も重要なポイントになります。

そこで、自分のミート率がどの程度かを知る方法には2通りで求め方ができます。

・単純にヘッドから打ち出されたボール初速で割り出す方法

ヘッドスピード計を置いてスイングすればヘッドスピードとボール初速が表示されます。

ヘッドスピード40m/s  ボール初速60m/s では

60÷40=1.5 で現状では反発係数1.5は100%のミート率になります。

100%のミート率であることから、実際の飛距離を弾道係数を4で算出すると、

60×4=240y飛ぶことになります。

・物理的にヘッド重量とボール重量の質量による衝突から起こる反発係数を求める方法

ドライバーのヘッド重量196g  ボール重量45.93g

  100%のミート率は1の定数になります。

【1の物体を1の力で動かすことが100%】

ミート率=196÷(196+45)+1(定数)

ミート率=1.8 になりますが、この方程式で割り出した数値は真空状態で、ボールは空気の中を飛ぶことで実際は1.5が100%と捉えます。

上の方程式で計算すれば以下の数値になります。

ヘッドスピード40m/s でミート率が1.5の場合

40×1.5=60 でボール初速は60m/sになります。

また、どの程度のミート率かを飛距離から逆算すれば以下の計算になります。

ヘッドスピードが40m/sで飛距離が200yとした場合

200÷4=50 この50はボール初速で、ヘッドスピード40m/sでボール初速が50m/sでミート率は 50÷40=1.25 なり1.25のミート率になります。

つまり0.25%のミート率の低下で約40yも距離をロスすることになるのです。

飛距離を伸ばすには、ミート率を上げることが何より重要であることが、数値から分かります

■ボールの打ち出し角度とスピン量

飛距離を伸ばすコツは、ボールの滞空時間を長くすることです。

それには、インパクト直後のボールの打ち出し角度になります。

打ち出し角度とは写真で示すように、インパクト直後にボールの飛び出し角度と地面との間にできた角度で、大きい程、高弾道で、小さい程、低弾道になります。

また、ボールのスピン量は多い程高弾道、少ない程低弾道になります。

打ち出し角度は、ヘッドのロフトスイング軌道で決まりますが、最近のドライバーの特徴は高弾道、低スピンで飛距離が出やすい構造に製作されています。

この、高弾道で低スピンは物理的には相反する条件になりますが、周辺重量でヘッドの大型化により重心位置を深くして打ち出し角を大きく、スピンを作るスコアーラインをなくす方法で、スピン量を抑え、高弾道、低スピンの弾道を実現しているのです。

また、ボールの進化でボールの選択でスピン量をコントロールできる時代です。

一般的にはボールの打ち出し角度は、ロフト角に3~8度プラスした値が、実際のボールの打ち出し角度になります。

非力でヘッドスピードの少ない方は、ロフト13度のドライバ―場合、実際の打ち出し角度は20度前後になりますが、市販のクラブのロフトはリアルでなく、メーカ表示ロフトでは9.5度で11度程度のロフトになっているのがほとんどで、実際の打ち出し角度は17度前後になると思われます。

そのため、ヘッドのスピードの少ない方は、ロフトを選ぶ場合リアルロフトで選択することが重要です。

この打ち出し角度が低いと、ボールのスピン量が少なく最高度到達が低くなり、落下地点も早くなり飛距離が出なくなります。

地面を這うボールは空気中のボールよりはるかに抵抗が大きく、ボールは飛ばないのです。飛距離を伸ばすにはやはりキャリーの距離を伸ばすことが重要で、ボールの打ちだし角度がポイントになるのです。

■飛距離を出せるスピン量

ボールにおこるスピンとは、バックスピンの事で、ボールに揚力を与えボールのキャリーを出すには絶対必要な要素になります。

このバックスピは、ヘッドスピードが40m/sのゴルファーで2700r/sで45m/sのゴルファーでは2300r/sが最適と言われています。

以下の表は、ボールと飛ばす3要素、ヘッドスピード、ボール初速、打ち出し角度、スピン量の相対関係です。

ヘッドスピードボール初速打ち出し角スピン量
38m/s53m/s16°2600r/s
40m/s56m/s16°2700r/s
43m/s60m/s15°2500r/s
45m/s63m/s15°2300r/s
47m/s66m/s14°2200r/s

上の表から、ヘッドスピードとボール初速は比例的関係で、打ち出し角とスピン量は反比例の関係になります。

ヘッドスピードの少ないゴルファーが低ロフトのクラブを使うと、十分なスピン量が得られず、ボールに揚力が十分働かず失速して飛ばなくなります。。

逆に、ヘッドスピードの速いゴルファーは高ロフトのクラブを使用すると、ボールに無駄なスピン量が増え、過度の揚力が働く事でボールが吹き上り距離が出なくなります。

■スイング軌道も打ち出し角度に影響

特に、ティーアップするドライバーの場合、スイングの基本はアッパースイングになりますが、ダウンブロー気味にスイングを行えば、インパクトでロフトが小さくなり、また過度のバックスピンが掛かり、やはり飛距離を伸ばす事が出来なくなります。

初心者に多く見られるアウトサイドインのスイング軌道は、インパクトでフェースが左を向きロフトを生かせず低ロフトのインパクトでボールのスピン不足で、ボールを高く打つことはできません。

逆に、インサイドアウトのスイング軌道では、インパクトでフェースが右を向いた開いた状態でボールを捉まえスピン量が多くかかり、ボールの弾道は高く右にスライス系のボールになります。

また、ヘッドスピードの少ないゴルファーや非力な女性ゴルファーが、硬めシャフトの使用ではシャフトが反転する速度の最大値でインパクトできず、ヘッドスピード不足で十分なスピン量が掛からずボールが理想の弾道をえることができません。 

また、ロフトが少ないヘッドも飛距離が出なくなるばかりか、かえって難しくクラブになり、ボールを上げようとしてスイングを壊してしまう危険があります。

飛距離の出ないゴルファーは見栄をすて、まずは、シャフト自分に合うシャフトの硬さの使用と、高ロフトで高弾道の球が打てるようにするのが先決です。

 ■まとめ

飛距離アップのためのクラブは、ヘッドスピードを上げ、ミート率を上げる軽めのクラブの使用、オーバースペックのクラブは選ばない。

 ボールのスピンが多く吹きあがるならロフトを落とす。

ボールが上がらないなら高ロフトのクラブを使う。

ミートを上げるなら、慣性モーメントの大きい大型ヘッドの使用が向く。

 

■飛びの3要素を生かすスイングとは

ボールを遠くに飛ばすには力は必要ですが、ゴルフの場合、力を入れたからと言ってボールを遠くに打てるとは限りません。

特に、初心者の方はこの傾向を多く見受けます。

確かに、力を入れて打つ方が飛びますが、ゴルフは体の回転を使いクラブという道具を使い打つスポーツです。

つまり、クラブが良い仕事をしてくれなければボールを遠くに飛ばせないのです。

 まず下の写真を参考に解説していきます。

ボールの飛距離の目安はボール初速で、この初速を加速するには遠心力を利用することです。

 この遠心力で発生する加速度は、ゴルフの場合スイングの角速度とその円軌道運動の半径で求めることができます。

つまり、円運動の半径が大きい程加速度が増し、ボール初速が速くなりボールがより飛ぶことになるのです。

上の写真でAは左肩とヘッドの距離になります。

 Bはグリップとヘッドの距離になります。

AとBと比較すれば、Aの方が距離が長く、上の方程式でもAがBよりヘッドの加速度が大きいことがわかります。

これは、スイングで腕をシャフトと同様に活用できるているかどうかの違いです。

腕を柔らかく使えば、左肩からヘッドの先まで、シャフトとして腕もフルに使えるのです。

 つまり、力の入った左腕はシャフトの役目であるシナリのない、ただの棒の役目しかしないことです。

力を抜いてスイングした時、ボールが意外と飛ぶことを経験されて方は多くおられると思います。

腕に力を入れてスイングするより、力を抜いて腕をシャフト同様しなやかに使う方がはるかにヘッドスピードを上げることが出来るのです。

腕に力を込めて体を回転させれば、どうでしょう、意外と体の回転は思うように行えないはずです。

逆に、腕の力を抜いて行えば、意外と体がスムースに回転できることに気がつきます。

ゴルフスイングは力を抜いて打つ方が、ボールを遠くに打てるのです。

アドレスでは、下半身に力を配分、その分上半身の力みが取れるのです。

両肩は力を抜くため、肩を張らずなで肩で、両腕で胸を挟むイメージで構えてください。両腕はハリを持たせる程度で力みは禁物です。

スイングは回転でおこなうものです。力みは回転を減速し、ヘッドスピードを大きくロスするのです。

クラブに仕事をさせる意味でも、腕のシナリを活用できる力みを取ることです。

■まとめ

100を確実に切れないゴルファーは、手やクラブの動きに集中し、上半身のネジレを理解出ていない事です。

スイングで両腕の力を抜き、力みのないしなやかなスイングは、下半身を安定させ上半身をネジルことから可能になるのです。

まずは、体を大きく使うことは未体験の飛距離と方向性の安定をもたらすのです。

 スイングの力みは百害あって一利なしですよ。

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